テニス
テニス(英語: tennis)は二人または二組のプレイヤーがネット越しにラケットでボールを打ち合う球技である。オリンピックやパラリンピックで採用されている競技であり、年齢性別、身体的個性を問わず広く親しまれている。
歴史
複数の人間が1つの球を互いに打ち合うという形態の球技の起源は、紀元前にまで遡ることが出来る。エジプトでは宗教的な行為のひとつとしてこのような球技が行われていた。紀元前15世紀の壁画で球を打ち合う球技を行う人々の姿が描かれたものが発見されている。
エジプトに存在したこの球技は、古代ローマ帝国にもレクリエーションの1種類として引き継がれたが、現在のテニスの直接の祖先に当たる球技は、8世紀ごろにフランスで発生し、当初はスール(soule < ケルト語 hehaul 「太陽」より。ボールを太陽に見立てたもの)<ref>ピカルディではショール(chole)として、今でも古式のルールで行われている。</ref>、フランス貴族の遊戯として定着をはじめた16世紀以降には「jeu de paume」(ジュ・ド・ポーム、「掌の遊戯」の意)と呼ばれた。
フランスでこの球技が盛んになった理由としては、ローマ時代の直接の影響よりも、8世紀から11世紀まで、イベリア半島から南フランスまで進出していたイスラム教徒(ウマイヤ朝)が、エジプト時代と同様に、宗教的行為として行っていたものに、キリスト教の僧侶が興味を持ち模倣したことからはじまったと言われている(「ラケット」の語源がアラビア語であることに注意されたい。フランスの僧院で特に盛んに行われるようになったのは、イスラム勢力がヨーロッパから駆逐された12世紀ごろ以降からとされる)。
ルール
テニスの試合には、1人対1人で行うシングルスと2人対2人で行うダブルスがある。
試合開始前のトスによって決定された一方のプレイヤーがサーバー、他方がレシーバーとなり、ゲームごとに交替する。プレーヤーは奇数ゲーム終了ごとにコートを入れ替わる。サーバーはベースラインの外から相手コートのサービスエリアでバウンドするようにボールを打つ。レシーバーはサーブされたボールを2回バウンドする前に相手コートに打ち返す。次のようなときに失点(相手方の得点)となる。
- サーブを2回続けてフォールト(ダブルフォールト)したとき
- サーブされたボールがバウンドする前にレシーバーが触れたとき
- 自分のコートでボールが1回バウンドし、もう1回バウンドしたとき
- 自分のコートでボールが1回バウンドし、逆回転によってネットを越えて相手のコートに戻ったとき(この場合は特殊で、ボールが相手コート上にあってもネットタッチさえしなければ、2バウンドする前にオーバーネットして打ち返し、相手が取れなければそのポイントは自分のものとなる)
- 自分のコートに落ちたボールがバウンドしなかったとき
- 自分の打ったボールの1回目のバウンドが、相手のコート外(アウト)だったとき
- 打ったボールが審判に命中したとき
- ラケット以外の部位がボールに触れたとき
- 相手コート内でボールに触れたとき
- 体やラケットがプレー中にネットに触れたとき
- ラケット以外の持ち物をコート上に2回落としたとき
スコアは、0ポイント:ラブ (love)、1ポイント:フィフティーン (fifteen, 15)、2ポイント:サーティー (thirty, 30)、3ポイント:フォーティー (forty, 40) と数える。2ポイント差以上をつけて4ポイント以上を取ると1ゲームを獲得する。例としてカウントが40-30であれば、40の側のプレーヤーが1ポイント取得するとそのプレーヤーがゲームを得る。両者とも3ポイント (40) の状態を「デュース」(deuce) と呼び、デュースの後1ポイントリードしている状態を「アドバンテージ」(advantage) と呼ぶ。アドバンテージを得ているプレーヤーが1ポイント取得するとそのプレーヤーがゲームを得る。アドバンテージを得ているプレーヤーの相手側が1ポイントを取得すると再びデュースとなる。